自動車保険
更新日: 2022-05-19
事故で保険料はいくら上がる?保険事故と等級ダウンを具体例とともに解説
この記事のポイント
- 事故による等級・保険料の変化は、現在の等級・保険料によって違う
- 事故で「対人賠償保険」「対物賠償保険」「車両保険」の支払義務が発生すると3等級ダウン
- 自然災害や盗難などの偶発的な事故であれば1等級ダウン
自動車を所有している人の多くは、自動車保険に加入していると思います。
ところが、いざ「事故が起こってしまった場合に等級や保険料がどのように変わるのか」はご存知でない方も多いのではないでしょうか。自動車保険には加入していても、いざというときの等級や保険料への影響には無関心になりがちですよね。
自動車保険の仕組みや事故が起きた際の等級ダウンについて知っておかないと、大きな損になってしまうこともあります。
そこで、本記事では、自動車事故によって等級が下がると、保険料がいくら上がるのかを解説していきます。
自動車保険の等級はどういった場合に下がるのか、等級が下がると保険料がどれだけ高くなるのかといった疑問が解決できるような内容をお伝えします。どうぞ、最後までお付き合いください。
「保険事故」を起こしたら、3等級下がる
まずは、自動車保険の仕組みを簡単に解説します。
まず前提として保険は1年使わなければ等級が1つ上がることが特徴です。一般的な保険制度には1等級から20等級まであり、新規契約時は6等級からスタートします。等級が上がるほど、保険料の割引率は上昇していきます。
そして本記事の本題である事故を起こした場合ですが、基本的に「保険事故」を起こした場合は3等級下がります。
「保険事故」とは?
保険事故とは、保険において保険者の保険金支払義務が発生する事故のこと。
保険会社はリスクに応じた保険料を設定するために「ノンフリート等級別料率制度」を採用しています。
つまり、事故を起こさなければ等級が上がって保険料が安くなりますが、事故を起こせば等級が下がって保険料が増加してしまうということになります。
3等級下がる保険事故は「対人賠償保険」「対物賠償保険」「車両保険」の3つ
以下の3つは、「3等級ダウン事故」に分類されます。
使用すると3等級下がる保険3つ
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 車両保険
上から順に簡単な説明をすると、「他人を死傷させた」「他人の物を壊した」「自分の車を壊した」といった場合です。原則的にこのような3種類の保険を使うと3等級下がってしまいます。
ただし、例外もあるので下記より具体的にお話します。
【例外】偶発的な原因によるものなら等級は1つだけ下がる
「1等級ダウン事故」なら、翌年の契約の等級が1つだけ下がります。偶発的な原因により、保険を使わざるを得なかったようなケースが該当します。
具体的な事例としては、以下のようなものがあります。
偶発的な事故の事例
- 火災や爆発
- 盗難
- 落書きやいたずら
- 暴力行為や破壊行為
- 台風、竜巻、洪水、高潮などの自然災害による水没や浸水
- 飛来物(飛び石など)または落下物(落石やひょうなど)との衝突
- その他の偶発な事故により生じた損害
上記により、車両保険金のみ支払われる事故は「1等級ダウン事故」と呼ばれます。
これまでの内容を簡単にまとめると、過失により発生した事故なら「3等級ダウン」、偶発的に発生した車両の損傷なら「1等級ダウン」になってしまいます。
ここまでは、保険の等級が下がってしまう場合についてお話しました。
保険を使っても等級が下がらない「ノーカウント事故」
この章では「ノーカウント事故」についてご紹介していきます。
ノーカウント事故とは、保険を使っても事故がなかったものとして扱われるため、翌年の等級が1等級上がる事故のことです。
このノーカウント事故にはいくつか種類があり、このように扱われるのには理由があります。下記から具体的にお話していきます。
ノーカウント事故の種類
以下は、等級に影響しない「ノーカウント事故」の一例です。
等級に影響しないのノーカウント事故の例
- 人身事故保険
- 搭乗者傷害特約
- ファミリーバイク特約
- 自転車傷害特約
- 弁護士特約
- 個人賠償特約
人身傷害、搭乗者傷害、個人賠償特約のみを使った場合などが、「ノーカウント事故」に含まれます。
ただし「ノーカウント事故」として扱われるものが保険会社によって若干異なるので、契約前に内容を確認しておくことをおすすめします。
「ノーカウント事故」という扱いがある理由
契約者に責任を問えない保険は、「ノーカウント事故」として扱われます。
保険金が支払われるような事故を起こせば、等級が下がって保険料が上がらないと不公平ではないかという疑問があります。しかし等級に影響を与えるのは「損害賠償保険」と「車両保険」の2つだけです。
そもそも傷害保険には等級制度がありません。そのため、搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険はノーカウント事故として扱われるのです。
ただし、例外として「ファミリーバイク特約」や「ロードサービスの利用」があります。
ファミリーバイク特約は、自分に過失があっても「ノーカウント事故」として扱われます。ロードサービスを利用しても、保険会社によっては「ノーカウント事故」の対象となります。
基本的には契約者に過失がなければ「ノーカウント事故」、相手への賠償があれば「3等級ダウン」、車の修理が発生すれば「1等級ダウン」という扱いになります。
補足:搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険について
搭乗者傷害保険は、事故に遭った契約中の自動車に登場していた人が死傷した場合に発生する保険金が支払われる保険のことです。
人身傷害補償保険も、契約中の車に搭乗中の人が事故によって死傷した場合に保険金を受け取ることができる保険です。
搭乗者傷害保険は定められた金額が支払われるのに対して、人身傷害補償保険は契約者の過失割合に関係なく、実際にかかった費用や請求額が支払われます。
どちらも「搭乗中の自身や同乗者に対する補償」という点では共通していて、金額の計算方法やカバーする補償の範囲に違いがあります。
ここまでは「ノーカウント事故」についてお話しました。
等級が下がると、保険料はどれだけ上がるのか具体例を紹介
では、等級が下がったときに保険料はどれだけ上がってしまうのか、具体的にシミュレーションしていきたいと思います。
等級ごとの保険料の割引率を確認したあと、3等級下がった場合の保険料をケース別にみていきましょう。
等級ごとに保険料の割引率は決まっている
等級による保険料の割引率は、以下のとおりです。
等級 | 無事故 | 事故あり |
1 | 64%割増 | |
2 | 28%割増 | |
3 | 12%割増 | |
4 | 2%割引 | |
5 | 13%割引 | |
6 | 19%割引 | |
7 | 30%割引 | 20%割引 |
8 | 40%割引 | 21%割引 |
9 | 43%割引 | 22%割引 |
10 | 45%割引 | 23%割引 |
等級 | 無事故 | 事故あり |
11 | 47%割引 | 25%割引 |
12 | 48%割引 | 27%割引 |
13 | 49%割引 | 29%割引 |
14 | 50%割引 | 31%割引 |
15 | 51%割引 | 33%割引 |
16 | 52%割引 | 36%割引 |
17 | 53%割引 | 38%割引 |
18 | 54%割引 | 40%割引 |
19 | 55%割引 | 42%割引 |
20 | 63%割引 | 44%割引 |
※引用:ソニー損保公式サイト
割引率は等級が低いほど1等級あたりの割引率の差が大きく、10等級を過ぎると緩やかになります。ただし、20等級になると再び割引率が大きく上昇します。
逆に、1~3等級までは保険料が割増になってしまうことがわかります。
また気をつけたいところとしては、同じ等級であっても無事故と事故ありの人では20%前後の差があるので、保険料は大きく違ってくるということです。
3等級下がった場合の保険料の値上がり額を紹介
等級が下がった場合の保険料は一体どうなるのか、値上り額を3つのケースに分けて相場をお伝えしていきたいと思います。
概算保険料は保険会社のソニー損保が提供するシミュレーションツールを使っています。「現在の等級」と「現在の保険料」、「事故の種類」によって金額は変わります。
人によって状況はさまざまですので、ご自身でもシミュレーションしてみることをおすすめします。
本章で取り上げる等級ダウンの3つのケース
- 20等級から17等級
- 15等級から12等級
- 10等級から7等級
下記より、具体的に確認していきましょう。
20等級から17等級に下がった場合
20等級から17等級に下がった場合の保険料です。
経過年数 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1年後 | 無事故 20等級 |
40,000円 | 事故あり 17等級 |
67,000円 |
2年後 | 無事故 20等級 |
40,000円 | 事故あり 18等級 |
65,000円 |
3年後 | 無事故 20等級 |
40,000円 | 事故あり 19等級 |
63,000円 |
4年後 | 無事故 20等級 |
40,000円 | 無事故 20等級 |
40,000円 |
合計金額 | 160,000円 | 235,000円 | ||
差額 | 75,000円 |
20等級から17等級に下がった場合、4年間で75,000円保険料が上がってしまいます。
15等級から12等級に下がった場合
15等級から12等級に下がった場合の保険料は、以下のとおりです。
経過年数 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1年後 | 無事故 16等級 |
59,000円 | 事故あり 12等級 |
89,000円 |
2年後 | 無事故 17等級 |
58,000円 | 事故あり 13等級 |
87,000円 |
3年後 | 無事故 18等級 |
56,000円 | 事故あり 14等級 |
84,000円 |
4年後 | 無事故 19等級 |
55,000円 | 無事故 15等級 |
60,000円 |
合計金額 | 228,000円 | 320,000円 | ||
差額 | 92,000円 |
15等級から12等級に下がった場合は、92,000円差額が出てしまいます。
10等級から7等級に下がった場合
10等級から7等級に下がった場合の保険料です。
経過年数 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1年後 | 無事故 11等級 |
67,000円 | 事故あり 12等級 |
102,000円 |
2年後 | 無事故 12等級 |
66,000円 | 事故あり 13等級 |
101,000円 |
3年後 | 無事故 13等級 |
65,000円 | 事故あり 14等級 |
99,000円 |
4年後 | 無事故 14等級 | 64,000円 | 無事故 15等級 |
70,000円 |
合計金額 | 262,000円 | 372,000円 | ||
差額 | 110,000円 |
10等級から7等級まで下がった場合は、4年間で11万円もの差額が発生してしまいます。
このように、等級が低くなるにつれて等級が下がると、保険料の差額が大きくなってしまいます。保険を一度使用すると、条件によっては1年分以上の保険料の違いが生まれるのです。
まとめ
本記事では、自動車事故の等級が下がったらいくら保険料が上がるのかを解説しました。
これまでお伝えした内容は、以下のとおりです。
事故による等級と保険料への影響まとめ
- 保険事故を起こせば3等級下がり、保険を使わなければ1等級上がる
- 過失による賠償や車両の損傷は「3等級ダウン」
- やむを得ず発生した車両の損傷なら「1等級ダウン」
- 過失のない傷害は「ノーカウント事故」
- 等級による割引率は無事故と事故ありで大きな違いがある
- 等級が低いときに等級が下がると長期間のトータル保険料は高くなる
事故を起こしてしまった場合、程度によっては自己負担した方が安くなることもありますし、長い目で見ると損をしてしまうこともあります。
逆に、自己負担した方が安くなっても、手持ちの資金を優先して保険を使うようなケースもあります。
どちらにしても、事故を起こさないことが金銭的にも精神的にも負担がかからないので、普段から安全運転を心がけるようにしましょう。
- 公開日: 2022-05-19

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