2015

9

Jul

クルマの基礎知識

自動車保険の基礎知識、保険の種類とハマリやすい落とし穴を解説!

カンタンにまとめると!

  • 強制保険=「自賠責保険」の補償だけでは不十分の為、任意保険にも加入を!
  • 単純に保険料の高い安いのみで判断しない
  • 仕組みを理解した上でプロに相談し、自分にぴったりの保険を見つける

これだけは知っておこう

あってはならないことですが、クルマの運転に交通事故は付き物。万が一の事態が起こってしまった時、なによりも頼りになるのが保険です。どんな補償があるの? どこに相談すればいい? 初めて自動車保険を契約するというクルマビギナーに、自動車保険のイロハを教えます。

自賠責保険の補償だけでは“不十分”!任意保険への加入はドライバーの努め

自賠責保険の補償だけでは不十分 任意保険への加入はドライバーの努め

まず最初に知っておきたいのが、自動車保険は大きく2つに分けられるということ。

その1つが「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」です。
法律によってすべての自動車に加入が義務付けられているため、「強制保険」とも呼ばれています。この保険の目的は、交通事故の被害者を救済すること。事故によって相手がケガをした場合は120万円を限度に、死亡してしまった場合には3,000万円を限度に支払うことなどが定められています。自賠責に未加入の場合には厳しい罰則があり、未加入の状態でクルマを運転していたことが分かると1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、免許停止の処分が下されます。

そしてもう1つが「任意保険」
読んで字の如く、加入するか否かが個人の意思に任せられている保険です。世間一般で「自動車保険」と言えば、この任意保険を指していることが多いようです。任意保険では、さまざまな保険会社がさまざまなサービスを提供しています。「保険料がもったいないし、義務でなければ入らなくてもいいのでは?」などと思う人もいるかもしれませんが、それは大きな間違い。交通事故の被害者はもちろん、自分自身を守るためにもぜひ加入しておくべきです。

では、なぜ任意保険にも加入しておくべきなのか。
それは先にも述べたように、自賠責保険には補償の限界があるためです。

交通事故の加害者は、被害者の治療費や休業損害(入院などで働けない間の収入補償)のほか、慰謝料などを支払わなくてはなりません。加えて、被害者に重度の後遺症が残ってしまった場合は、労働能力を喪失したことにより失った将来の収入(逸失利益)なども補償しなければなりません。それら賠償額の合計は、相手が20代の若者であれば1億4000万円という高額になることもあるといいます。自賠責保険の補償額だけでは、とても払い切れません。

また、任意保険にはほかにも、自分自身や同乗者への補償、自分のクルマへの補償、自損事故での補償など、自賠責保険のみではカバーしきれないさまざまなケースを想定した補償が付いているので、もしもの時の安心感が違うのです。

プロのアドバイスに耳を傾け 自分に合った保険を賢く選ぶ

プロのアドバイスに耳を傾け 自分に合った保険を賢く選ぶ

任意保険は任意と言えども絶対に必要なものだということがお分かりいただけたところで、次は保険会社選び。たくさんの会社がある中から選ぶに当たって、何を基準に判断すればよいのでしょうか。

ここでポイントとなるのは販売形態。保険会社が取り扱う自動車保険には、従来からある「代理店式自動車保険」と、インターネットの普及に伴って近年増えてきた「通販式自動車保険」の2つに大別できます。

その大きな違いは、対面販売をするかしないか。代理店式は、加入者ひとりひとりの状況に合うように、知識を持った専任スタッフがアドバイスも交えながら保険商品を販売するもので、クルマの販売店が代理店業務をする「ディーラー代理店」のほか、整備業者や板金業者などによる「一般代理店」、保険の販売を専門的に行う「プロ代理店」などに分けることができます。

一方の通販式は、電話やインターネットを通じて申し込みが行えるというサービス。人件費などの経費が節減できるため、代理店式と比べると保険料が安いのが特徴です。

ビギナーが保険会社を選ぶ時にもっとも気を付けるべきなのが、単純に保険料の高い安いのみで判断をしないこと。詳しくは後述しますが、自動車保険はさまざまな保険や特約などを組み合わせて契約するので、自分に合ったプランを策定することが大切になります。

資格を持ったプロのアドバイスを聞きながら、自分にぴったりの保険をじっくり探すのが賢い保険選びのコツ。クルマを購入するついでに、自動車ディーラーで保険の話を聞いてみるのもよいでしょう。

【3種類】の補償にさまざまな付帯サービス!保険の基本を抑えて

3種類の補償にさまざまな付帯サービス 保険の基本を抑えておく

いざ、プロに話を聞くと言っても、こちらがある程度の仕組みを理解していなければ効果的ではありません。ということで、ここでは自動車保険の基本中の基本とも言える保険の仕組みをおさらいしておきましょう。
先ほども述べたように、自動車保険はさまざまな保険の組み合わせ。その基本となるのは、
【1】 相手への賠償(事故の被害者への賠償)
【2】 自分や同乗者が負ったケガへの補償
【3】 自分のクルマへの補償
の3点です。

 

【1】相手への賠償(事故の被害者への賠償)
「対人賠償保険」「対物賠償保険」と呼ばれるもの。交通事故の加害者になってしまった時のために備えておきます。万一のことを考え、保険金額は無制限にしておくのがよいでしょう。

【2】自分や同乗者が負ったケガへの補償
自分自身や同乗の家族などが死傷した際にカバーするもので、「人身障害保険」「搭乗者傷害保険」「自損事故保険」などがそれに当たります。

【3】自分のクルマへの補償
衝突や接触などで自分のクルマが壊れてしまった時のための「車両保険」のこと。事故の相手から賠償してもらえないケースもあるので、かけておくと安心です。

自動車保険の基本! 割引・割増の制度、等級制度について

保険等級制度

自動車保険の基本とも言える割引・割増の制度、等級制度のことも併せて理解しておくとよいでしょう。一般的には1~20等級まであり、初めて自動車保険に加入する場合は6等級からスタートします。1年間事故がないと1等級アップし、事故で保険を使うと3等級ダウンします。等級が上がれば上がるほど(20等級に近付けば近付くほど)、割引率が増し、保険料は安くなります。

また、最近増えているのが、クルマに乗る人の実情に合わせた「リスク細分型自動車保険」です。年齢がいくつなのか、使用目的は通勤・通学なのかレジャーなのか、免許証の色はゴールドなのかそれ以外なのか、クルマに運転するのは本人だけなのか家族もなのか…。さまざまな条件を細かく設定し、保険料を決定します。

例えば「土日にしか運転しない、ゴールド免許を持った40歳のドライバー」と「通勤のために毎日運転するブルー免許の25歳のドライバー」を比べると、前者の方が事故を起こす確率が低いという考えのもとで、保険料が安くなります。

まとめ

まとめ

自動車保険についてあれこれと説明してきましたが、これはまだほんの入り口でしかありません。

被保険者それぞれの実情やニーズに合わせられるように、保険にはさまざまな制度やサービスが存在しており、その仕組みはビギナーでなくとも複雑と感じるものになっています(そのため、代理店業務には資格を必要とする)。

万が一の時に、「このケースは保険の適用外だった」なんてことになったら目も当てられませんので、基本事項をしっかりと踏まえた上でプロの力を借りるのが保険との賢い付き合い方だと言えそうです。いざというときに、自分や大切な家族を守るための「お守り」ともなる自動車保険。加入はドライバーの“義務”であると言っても決して言い過ぎではありません。

 

イラスト:タケバヤシデザインファクトリー
取材協力:株式会社 ホワイトハウス
営業統括部 F&I 推進室 課長 北岡 久仁子さん
http://www.whitehouse.co.jp/