クルマの基礎知識
更新日: 2022-03-15
軽自動車の寿命は12年が目安!車の寿命を伸ばすためのポイントも解説
車に長く乗っていると愛着がわくものです。しかしいつかは別れの時が来ます。ネット上では、「車の寿命は10年」というのをよく見かけます。ところが実際には10年を超えても状態のよい車はたくさんあります。「車の寿命は10年」というのは「10年落ちの車は下取り価格がほぼゼロになる」というくらいの意味だと捉えておくとよいでしょう。
一概には言えないものの車の寿命は、普通自動車の場合でメンテナンスを欠かさずていねいに乗っていた車であれば、15~20年が目安となります。
走行距離で見た場合は15万~20万㎞ほどが目安となります。
ただ軽自動車なら、軽さを重視するために各パーツの耐久力が犠牲になっているので、寿命は普通車の7~8割ほどに少なく見積もっておくのが安全のためにはよいでしょう。
それだけ長く乗るためには車の状態をよいものに保たなければなりません。つまりいかにていねいに乗るかが重要なのです。この記事では、車を長く乗るためのコツやメンテナンスのポイントを説明します。どうぞ最後までお読みください。
愛車を維持するための重要ポイント
一般的には「性能的なパフォーマンスが落ちてくる」という意味での寿命は、年数で15~20年くらい、走行距離で15万~20万㎞と言われています。
普通車より耐久性でやや劣る軽自動車はもう少し少なく、12年、12万㎞あたりであると考えられています。
「車が寿命を迎える」とは、特に一部を交換してもまたすぐに別の部品が寿命を迎えるといったことが増えてきます。
少しでも愛車に長く乗りたい方やパーツの交換を抑えたい方は、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを定期的に行うことで車を良好な状態で保つことができ、車は長持ちします。
さらに、メンテナンスが行き届いた車は、もし売却することになった場合も査定価格が上がります。そこで、次に車のよい状態を保つための乗り方とメンテナンス方法を紹介していきます。
こまめにメンテナンスが必要な箇所一覧
車体としての寿命は、「メンテナンスをいかに欠かさなかったか」「ていねいに乗ったか」にかかっています。そこで、メンテナンスが必要な個所を一覧にしてみました。
メンテナンスの理想的な頻度とそれらにかかる費用の目安も記入しましたので、参考になさってください。
部品名 | 交換時期・距離(目安) | 平均的な費用 |
タイミングベルト | 9万~10万㎞走行 | 要問合せ |
タイロットエンドブーツ | 7年または劣化確認時 | 3,500円~ |
ウォーターポンプ | 9万~10万㎞走行 | 要問合せ |
フューエルフィルタ・ポンプ | 10万㎞走行 | 要問合せ |
ラジエータホース | 10万㎞走行または10年 | 要問合せ |
ラジエータキャップ | 10万㎞走行または10年 | 1,260円~ |
サーモスタット | 10万㎞走行または10年 | 要問合せ |
プラグコード(ハイテンションコード) | 10万㎞走行 | 要問合せ |
マフラー | 20万㎞走行または10年 | 5,000円~ |
ダイナモ(オルタネーター) | 10万~15万㎞走行 | 21,000円~ |
ディスクローター | 10万㎞走行 | 脱着・研磨9,450円~ |
ブレーキキャリパー | 10万㎞走行 | OH片側9,450円~ |
主なメンテナンスが必要な部品と交換時期を記しましたが、ブレーキキャリパーだけは、オーバーホールした方がお得です。
ブレーキキャリパーをカー用品店や自動車修理工場で交換すると工賃を含めて30,000円前後の費用がかかります。
日常的に行いたいメンテナンスを紹介
また車には日常的なメンテナンスが必要な箇所があります。気をつけたいところについて紹介します。
エンジンオイルの交換
エンジンオイルの交換などもきちんと行うことで車体各部への負担が抑えられます。
オイル交換は15,000kmごと、あるいは1年に1回は最低限行う必要があります。高速走行が多い場合や悪路を走る場合は、5,000kmごとにオイル交換を行った方がよいです。加えて、オイル交換の2回に1回はオイルエレメントも交換する必要があります(オイル交換については「元整備士が教える!初めての「新車のオイル交換」の時期と5つの機能」も参照してください)。
CVTフルードの交換
また、CVT車はCVTフルードを交換することも大切です。CVTフルードを定期的に交換することで、エンジンのパワーがきちんとタイヤに伝わります。CVTフルードを交換しなければ、エンジンが焼き付いてしまうこともあるでしょう。
CVTフルードの交換目安は50,000kmに1回です。しかしCVTフルードは全てを抜き取って交換するわけではなく、新しいCVTフルードを足しながら、古いCVTフルードを抜いていきます。
そのため完全にCVTフルードが汚れてからでは、新しいCVTフルードを多く必要とし、費用がかさんでしまうのです。20,000kmに1回、あるいは2年に1回交換すると、費用も節約でき車のよい状態を保つことができるでしょう。CVTフルードの交換費用は5,000円~10,000円です。
タイヤ交換
タイヤも消耗品です。タイヤは車の調子に直接関わらないように考える方もいますがタイヤの状態によってはエンジンに負荷をかけてしまいます。そして、何よりも危険です。
タイヤの交換目安はタイヤの溝が1.6mm以下になった時です。スリップサインが見えてくるので、スリップサインが1か所でも現れたら交換すべきです。ちなみにスリップサインが現れた状態のまま走行していると、道路交通法違反になります。
新品タイヤの溝は通常8mmほどです。タイヤは5,000kmで1mmすり減るとされています。単純計算で32,000kmほど走行すると、新品のタイヤは溝が1.6mmになって交換時期を迎えます。
タイヤは溝が1.6mm以上ある場合でも硬くなった場合は、ブレーキが効きにくくなるので交換する必要があります。メーカーが設定しているタイヤの消費期限は4~5年です。タイヤは溝が十分にあったとしても、4~5年で交換した方がよいでしょう。
タイヤの交換費用は、タイヤ4本の費用と交換に関わる工賃で、1本あたり7,000円ほどからです。4本で28,000円ほどからになります。
さらに車についての詳細がわからない方は、メンテナンスのときに自動車を整備してくれるスタッフに質問しましょう。
車の寿命を延ばすための運転テクニック
愛車に長く乗るために気をつけるべきポイントについて説明します。走行時、駐車(エンジン停止)時に気を付けるポイントをまとめました。
愛車に長く乗るために避けるべきこと
- 急停止
- 急ハンドル
- エンジンの高回転
- 長く乗らないこと
- 屋根のない駐車場に止めること
急停止や急ハンドル、エンジンを高回転にすると、消耗部品の劣化を早めてしまいます。つまり愛車に長く乗りたいなら安全運転がおすすめです。
さらに、長期間車に乗らないことは避けてください。エンジンオイルがエンジンに回らず、エンジン内部の劣化につながります。愛車のエンジンために、車を定期的に走行させましょう。
また駐車に関してですが、屋根のない駐車場にとめることはすすめられません。車を雨ざらしにしていると、ボディや足回り、マフラーなどがサビる原因になってしまいます。なるべく長く愛車に乗りたいなら、屋根付きの駐車場にとめることをおすすめします。やむを得ず屋根のない駐車場に車を駐車する方は、小まめな洗車とともに水垢やサビの対策のためにワックスがけをしてください。
いつかはお別れのときが来る
車にどんなに大切に乗ったとしても、車は耐久消耗品です。消耗部品の交換を重ねていても、いつかはお別れのときが来てしまいます。
特にエンジンの寿命が来てしまいます。エンジン交換となると最低10万円、高額になると100万円ほどかかります。エンジン交換をしなければならない時期になると、エンジン交換をしたとしても、他のパーツの劣化も進みます。
その度にパーツ交換しても劣化のペースが変わることでメンテナンスが頻繁になり、そのスケジュール管理が難しくなります。
そのため「もう買い替えどきかな」と思ったら買い替えた方がお得です。「愛車をそろそろ休ませてやろう」と気持ちを切り替えて、新たな車との出会いを求めましょう。次に10年以上同じ車に乗る場合の注意点を紹介します。
10年以上乗る車の注意点
愛車に長く乗り続けていくことで、さまざまな注意点が生じてきます。
特に10年以上同じ車に乗り続ける注意点は、13年目から自動車税が高くなることです。さらに、時間が経つにつれてだんだんと不具合が出てきます。不具合は燃費の悪化にもつながります。また、車の技術は日進月歩で開発が進んでいるため、当然古い車には最新の安全技術が搭載されていません。
これらの注意点について詳しく説明していきましょう。
13年目から高くなる自動車税に注意
自動車を保有している人は、毎年4月1日時点で車を保有していると自動車税の課税対象となります。前述のとおり、自動車税は13年目から高くなるため注意が必要です。
増税される理由は、13年目以降の車の排出ガスは環境への負荷が大きくなるためです。また低年式の車は最新の車に比べて安全装備などが充実していないこともあり、安全運転の促進のためにも旧車の増税はおこなわれています。
自動車税は、用途や総排気量によって税額が異なります。「自家用乗用車」と「軽自動車」に分けることができ、「自家用乗用車」は排気量によって税額が決まっており、「軽自動車」は一律です。
初年度検査がいつ行われたかによって差額が違いますので、確認しておきましょう。
初年度検査の時期と軽自動車税額
- 初年度検査が平成27年3月31日以前の軽自動車
13年未満:7,200円
13年目以降:12,900円 - 初年度検査が平成27年3月31日以降の軽自動車
13年未満:10,800円
13年目以降:12,900円
上記のように、平成27年3月31日以前に初回検査がおこなわれた軽自動車は、13年未満と13年目以降の差額は5,700円となります。初回検査が平成27年3月31日以降だと差額は2,100円です。
新車登録から13年以降は毎年この差額が発生するので注意しておきましょう。
古い車ほど燃費が悪くなる
10年以上同じ車を乗り続けるもう一つの注意点は、古い車ほど燃費が悪くなることです。自動車のメーカーは、こぞってハイブリッドカーをはじめ燃費のいい車を開発しています。
たとえば、トヨタのプリウスはJC08モードで40.8km/L、トヨタのアクアはJC08モードで38km/Lです。軽自動車ではダイハツのミライースがJC08モードで27.0~35.2km/L、スズキのアルトはJC08モードで22.0~37.0km/Lとなります。10年以上前には考えられなかったような30km/Lを超える低燃費車が登場しています。
また経年劣化で燃費が悪化することも忘れてはなりません。エンジンの内部のパーツが摩耗し、抵抗が大きくなった状態では燃費が悪くなります。
もし燃費が悪くなった状態の車を手放し、燃費のよい車に買い換えるなら、車の購入費用がかさんだとしても長期的に見れば得するかもしれません。
例えば、燃費が10km/Lの車から燃費が30km/Lの車に買い換えるとします。1年に10,000km走行するとして、燃費が30km/Lの車では年間333Lのガソリンを使用します。燃費が10km/Lの車では年間1,000Lです。その差は667Lとなります。ガソリンを1L150円で計算すると、年間100,050円の差にもなるのです。
最新の安全技術が搭載されていない
10年以上同じ車を乗り続ける注意点を別にあげると、ここ10年で話題になった安全運転技術が搭載されていないことが多い点です。
この10年で自動ブレーキシステムが普及しました。歩行者の急な飛び出しやドライバーの不注意でブレーキを踏むタイミングが遅れた時にセンサーが感知し、自動でブレーキを踏んでくれるシステムです。
エアバッグは以前からもありましたが、この10年でエアバッグが運転席と助手席だけでなく、後部座席も標準装備されるようになっています。
古い車は、新しく開発された車に比べ安全技術が搭載されている数が少ないです。今後さらに安全技術は発展していきますし、義務化されるものもあるかもしれません。古い車に乗るということは、新しい車より安全に気を付けて運転しなければいけないということです。
ここまでで愛車に長く乗りたい人に限界まで乗る方法を提示してきました。ここから別の視点として「価格面からも買い替えを考える選択肢はある」ということを説明しましょう。
車の価値は5年で半額、10年でほぼゼロ
ここからは価格面からも買い替えをおすすめできる理由を説明します。理由の一つは、年月の経過とともに車の価値が落ちることです。
車の価値は5年で半額、10年でほぼ0といわれています。さらに、軽自動車のパーツは耐久性が低いので普通自動車に比べて価値が落ちるのが早くなります。詳しく見ていきましょう。
年月の経過とともに車の価値は落ちる
年月の経過とともに車の価値は落ちます。車の下取り額はすぐに下がっていきます。10年で5万㎞以上走っている車は下取り価格がほぼつきません。そのため価格的な意味では「10年が軽自動車を含む一般的な車の寿命」というのは正しいといえます。ただし10年を超えた車でも4万㎞以内ならある程度の価格になるでしょう。
一方で「よく乗っているから5万kmを超えてしまった、すぐに5万kmを超えると予想される」という方は、やはり年数が経たないうちに下取りに出す方が価格的な意味ではお得となります。
軽自動車のパーツは耐久性が低い
以前の章でも触れましたが、軽く作られているため軽自動車のパーツは耐久性で普通車に劣ります。比較的負荷に弱く壊れやすいのです。そのため価格も下がりやすくなります。
軽自動車に長く乗るためには、パーツの消耗を抑えるために普通車以上に安全運転を心がける必要があります。
すぐに乗り換えるつもりならなおさら、ていねいに乗って各部分のパーツの損耗を抑え、下取り価格が少しでも高くなるように心がけましょう。
ここまでで愛車の金銭的価値について触れてきました。大切な愛車を手放すのだから、少しでもいいタイミングで買い替えをしたいと考える人もいるでしょう。そこで、次は車検という視点で買い替えのタイミングを考えてみましょう。
車検のタイミングは軽自動車を売るタイミングの基準
車検という視点で買い替えのタイミングを考えてみたいと思います。車検直前は、車検代を支払うことなく売却できるので、買い替えに適した1つのタイミングといえます。
新車登録から最初の車検は3年です。軽自動車の車検は普通自動車と同じく、2回目の車検から2年に1度になります。5年で車の資産価値が半減することを考えると、5年目の車検直前が一つ目の下取りタイミングといえるでしょう。
あとは7年目、9年目と2年ごとに同じタイミングが訪れます。価値を残して下取りに出したいなら9年目の車検直前が最後のチャンスとなるでしょう。
軽自動車の車検については「軽自動車にかかる車検費用ははどれくらい?安く車検費用を抑える方法を紹介」に詳しい説明がありますので参考にしてください。
最後に軽自動車の下取り査定のポイントも紹介しておきましょう。
軽自動車の下取り査定のポイント
軽自動車の下取りや査定時に、業者が注目するポイントをまとめると以下のようになります。
業者が注目するポイント
- 年式よりも距離が重要
- エンジンオイル交換などのメンテナンス状態
- 車内の劣化具合
さらに軽自動車の下取りのコツについては「軽自動車を高く売るには?軽自動車で高価買取を実現させる方法を解説」にも詳しく載っていますので参考になさってください。
軽自動車は、パーツの摩耗を抑えることで下取り価格を上げることができます。
最後にこの記事全体をまとめてみましょう。
まとめ
「愛車に長く乗っていたい」という方は多いでしょう。もし売りに出すとしても、愛着があるからこそ価値をつけてほしいものです。最後まで事故なくきれいに乗って笑顔でお別れできたなら、本当にうれしいことです。
愛車に長く乗る秘訣は定期的なメンテナンスです。消耗部品は小まめに新品に交換することができます。エンジンオイルやCVTフルードも定期的に交換しましょう。
さらに、安全運転も愛車に長く乗る秘訣です。急停止、急ハンドル、エンジンを高回転に回し続けることを車に大きなダメージを与えてしまいます。事故を回避するために仕方のない時もあるかもしれませんが、ふんわりブレーキ、なめらかなハンドル操作を意識し、安全運転を心がけましょう。
新車登録から13年を超えた車は、自動車税が高くなります。さらに、10年以上経った車はパーツの経年劣化で燃費が悪くなるでしょう。最新の安全技術ももちろん搭載されていません。ランニングコストや安全性能を考えると、どこかで買い替えを考えるのは必然的といえるかもしれません。
買い替えを考えるなら、愛着ある車をなるべく高く売りたいところ。車の価値は5年で半額、10年でほぼ0になってしまいます。車検費用を考えると、車検直前に売るのがお得です。新車登録から5年目、2度目の車検前に売るのが、一つの売り時です。
愛車の売り時まで安全運転ときちんとしたメンテナンスをし、愛着ある車を大切に乗りましょう。そうすることで、愛車を長く乗り続けることができ、売却する場合も高く売れます。この記事が愛車を大切に乗り続けるあなたのお役に立つことを願っています。
- 公開日: 2022-03-15

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