2015

3

Jun

クルマの基礎知識

自動車ローンの種類と選び方を徹底解説!

ローンについて

ローンはクルマを購入するというハードルを一気に下げてくれる、金融サービスです。ローンがあれば、欲しいと思ったときにクルマを買うことができます。

もちろんクルマに限ったものではないため、ご存知の方も多いことと思いますが、ここでは基本的なローンの選び方から、ビギナー向けの残価設定ローン、単純明快な個人リースまでをご紹介します。

自動車ローンの種類による一般的な傾向

自動車ライターの水野誠志郎さんは「手続きの手間を考えれば、手軽なのは自動車販売店の提携ローン。しかし、金利を低く抑えたいなら、銀行などが扱っている自動車ローンも検討すべき」と話します。

新車ディーラーや中古車販売店にはそれぞれ提携しているローン会社があり、クルマを購入時の流れに沿って、その場で手続きを済ませることができます。一方、銀行やJAバンクといった金融機関の自動車ローンでは、購入するクルマの見積書を持って別途金融機関に出向かなければなりません。

しかし、一般的に自動車販売店の提携ローンよりも金利が低いというメリットがあります。デメリットとしては、当該金融機関との間で給与振り込みなどの取引実績が必要となることと、審査の基準が比較的シビアなことです。金利だけを考えれば、金融機関の自動車ローンが有利、と言いたいところですが、一概にそうとも言い切れないところがクルマのローンの難しさ。

「輸入車系のディーラーに多いのですが、モデルチェンジ時期をはじめとしたさまざまな場面で積極的に低金利のキャンペーンを行うところがあります」と水野さん。

「提携ローンを使ってくれるなら、車体価格をより値引きします、という販売店も少なくありません」。手間を惜しまなければ、より有利なローンを組める可能性があるということですね。

ただし、販売店でローンを組んだ場合、ローン返済期間中は所有権が自分のものにならない“所有権留保”が一般的。その場合、車検証の所有者欄にはローン会社の名前が記載されます。使用者欄には自分の名前が記載されるので、実用上になんら不便はありませんが、それが嫌だという人は銀行ローンを検討するといいでしょう。

ローンの種類による一般的な傾向

残価設定ローンとは

次に、最近その名を耳にすることが多い“残価設定ローン”について触れておきたいと思います。残価とは、ある年数を経ても残っているクルマの価値のこと。下取り価格と考えると分かりやすいでしょう。

「例えば3年と期間を決めたうえで3年後の残価をあらかじめ設定し、その残価を差し引いた分の金額を3年間のローンで支払っていくのです」と水野さん。返済期間が終わるタイミングで、クルマを販売店に返却するか、残価を一括もしくは再度ローンで支払ってそのまま乗り続けるか、という選択が可能です。

残価設定ローンにおける最大のメリットは、残価設定された分がローン返済額に含まれず、月々の負担額が少なくなることです。このため、最近は利用者が増加の傾向にあります。ただし、金利は残価として設定されている部分にもかかってきますので注意が必要です。このローンは販売店が販促のために取り組んでいるもので、銀行にはありません。

そのため、金利も少々割高になる傾向が見られます。
残価設定ローンは、20年ほど前から始まった比較的新しい形式のローンの形態ということもあり、一般的な認知度はまだ低いようです。「まず、そもそもの仕組みが分かりにくい。

そして、数年後のことは誰にも分からないですよね。もしクルマをぶつけてしまえば、そのクルマの価値は下がりますから、設定されていた残価との差額を支払う必要が生じます。逆に人気車種だとしたら、数年後に市場価値が上がっている可能性もあります。

それでも最初に決められた残価は変わらない。結果的に、その差額分を損したように感じる可能性もあるのです」。と水野さんは指摘します。しかし、「クルマ売却時のことなどを考えなければ、フルローンに比べれば安めの料金を毎月支払っていくだけ。数年後にそのクルマをどうするかは、その時に決めればよいのです。そうした分かりやすさから、ビギナー向けとも言えるでしょう」。

残価設定ローン

クルマの賃貸!? 新しいカタチ

分かりやすさでいえば、個人向けのカーリースにも注目です。「クルマを買うのではなく借りる。従来の自動車ローンが住宅購入ローンだとすれば、リースはいわば言わば賃貸住宅。気軽ですね」と水野さん。

大手のリース会社では、さまざまな車種を大量購入してリースしています。その中から自分が乗りたい車種を選び、期間を決めて契約する、というのがリースの大まかなシステムです。近年は7年や9年などリース期間の長いプランが登場したことで、月額料金も大きく下がってきています。たとえば軽自動車を長期リースする場合であれば、月々20,000円を切る価格で借りられるようです。

水野さんは、リースと購入の見極めに関して、「細かく計算すれば、自分で購入したほうが得になるでしょう。ただ、カーリースの場合は車検費用や税金が込みとなっていますから、毎月決まった金額を払うだけでよく、車検費用などを用意する必要もありません。」と教えてくれました。

何より最大のメリットは、購入する場合に比べて雑多な手続きが簡略化されていること。「スマホと同じで、『毎月これだけ支払えば、このクルマに乗ることができる』という単純明快さは、これまでの自動車業界にもっとも足りていなかった部分かもしれませんね」。

まとめ

残価設定ローンもカーリースも、基本的にはクルマを返却することを前提としています。事故でクルマをぶつけるなどしてしまえば、話は変わってきてしまいます。自分の所有物とするのとはまた違った感覚とも言えるでしょう。

ただ、自分の所有物だとしてもぶつければ修理等にお金が必要となるので、その点は同じかもしれません。残価設定ローンやカーリースの特徴は、“毎月いくらだけ”という分かりやすさ。

もしかすると近い将来には、そういったカジュアルなクルマの乗り方が、主流になっていくのかもしれませんね。

取材・文:藤原 均(Calendula)
イラスト:タケバヤシデザインファクトリー