中古車購入

更新日: 2022-10-04

中古車購入の契約を安全にキャンセルするための必須知識と契約の仕組み

中古車購入 キャンセル

この記事のポイント

  • 中古車はクーリングオフの対象外
  • 一方的なキャンセルは賠償請求される可能性がある
  • 契約成立後、キャンセルできるケースもある

中古車購入の契約を交わしたが「やはり他の車が気になる」「車の状態で不満なところが出てきた」といった理由で、どうしても契約をキャンセルしたいケースは少なくありません。

ですが、中古車はクーリングオフの対象外となっており、一方的なキャンセルは法律違反と判断され賠償請求される可能性もあります

正直なところ専門家でもない限り、契約の際に契約内容をすべて理解している方は、いないでしょう。

中古車の購入契約の基本と注意点を知らないままキャンセルを試みると、結果的に丸めこまれたり、損をすることも。この記事では、中古車購入の契約成立後でもキャンセルできるケースや注意点について解説していきます

申告が1日違うだけでキャンセルの可否が変わる場合もあるので、すぐ連絡した方がいいのですが、その前に必ず記事で中古車購入のキャンセルについての知識を得ておきましょう。

 

前提:中古車契約は「一方的」にはキャンセルできない

前提として、中古車契約が成立している状態では「一方的な」キャンセルは認められません。契約上の解約条件を満たす、もしくは双方の合意が必要になります。

「揉めたらどうしよう」と怖い気持ちもあるかもしれませんが、メール・電話などでキャンセルしたい旨だけ伝えて、お金を支払わないなどはもっとも危険なケースです。

中古車販売店でもごく稀にあるようですが、最終的には購入者側が法律違反で賠償などを請求されることになります。

絶対に避けるようにして、下記お話しする正しいコミュニケーションをとりましょう。

中古車はクーリングオフの対象外

通信販売などでは、「クーリングオフ」という仕組みがあります。

クリーニングオフは、呼び止められて・訪問などで勧誘されたなどの場合、冷静な判断ができないまま購入した消費者を守るため、一定期間内であれば契約を無効・解約できる仕組みです。

しかし、中古車(車)の場合は、吟味して購入するもの・自ら店舗に出向いて購入するものとされ、クーリングオフは適用されません。

次に、そもそも何をもって中古車購入の契約が成立するかをお話しします。

中古車購入の契約が成立する条件

一般社団法人・日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)に加盟している販売店の場合、「自動車注文書標準約款」で以下のように定められています。

契約成立のタイミング

  • 使用者の名義登録が完了した日
  • 注文者の依頼により修理・改造・架装に着手した日
  • 車両の引き渡しがなされた日(納車日)

上記3つの契約成立タイミングのうち最も早い日が契約成立日とされます。対して、上記のどれにも達していない場合は、契約成立していることにはならないのでキャンセルが可能です。

ここで注意しなければならないことがあります。

例えば「注文者の依頼により修理・改造・架装に着手した日」については、例え契約書にサインをしていなくても、口頭で依頼した時点で厳密には契約成立になります。

原則として、当事者と販売店が合意すれば、口頭であったとしても契約は成立するという点は注意しておきましょう。

JU中販連に加盟している販売店は基本上記のタイミングで契約が成立します。

契約成立タイミングは販売店によって異なる場合があります。不安な方はJU中販連から購入先の店舗を探してみましょう。

JU中販連に加盟している販売店かどうかを確認する

上記の契約成立条件は、JU中販連に加盟している販売店であれば守らなければならないようになっています。

ですが、JU中販連の加盟店でない場合、独自の契約書があります。上記に該当しない場合でも、契約成立したことになるかもしれません。手元に契約の約款があれば必ず確認してください。

JU中販連に加盟している販売店かどうかはJU中販連会員検索から確認できます。

JU中販連会員検索

ここで、都道府県・市区町村で絞込み、または販売店名の一部でも入れることで加盟店の検索ができます。

表示されない場合はJU中販連には加盟しておらず、自動車注文書標準約款のルールには当てはまりません。

ここまで、中古車購入における契約成立の条件について解説してきました。次は、契約成立後にキャンセルができるケースについてご紹介します。

契約成立後、キャンセルできる4つのケース

正直なところ、販売店の方針や担当者の裁量によって、契約成立後にキャンセルできるかは五分五分というところです。

さすがに、納車直前になると受け付けられないことがほとんどとなっています。

しかし、キャンセルできるケースは確かに存在することと、購入者側に認められた権利を正しく知ることでキャンセルできる可能性が上がります。

キャンセルが公的に認められるケースは主に以下の4つです。

キャンセルができるケース

これらに当てはまる場合は、契約後のキャンセルも可能です。

(1)不当な情報を元に中古車を購入させられたケース

車両に関する情報を不正に改ざん・または隠されて購入した場合は中古車契約をキャンセルできます。

たとえば、事故車(修復歴車)であることを隠して販売された場合は明らかな販売店の不備となり、キャンセルできる可能性が高いです。

これは、販売店が意図的に情報を隠した場合・販売店も気付いていなかった場合も同様です。

事故車(修復歴車)の定義は「修復歴ありの中古車は買い?修復歴車のリスクと見分け方を徹底解説」の記事を参考にしてください。

(2)親の承諾がなく未成年だったケース

中古車販売店に広くヒアリングした際にも、実際にはほとんどないケースとのことですが、未成年の中古車購入で、親の承諾がなかった場合は契約を無効にできます。

(3)契約書に記載してあるキャンセル要件を満たすケース

契約書に明記されているキャンセル要件を満たす場合は、当然キャンセルが可能です。

しかしこの条件には販売店の方針で大きく差があり、結局ここでご紹介する(1)~(4)のどれかと同じであることも多いです。

JU中販連に加盟していない販売店では契約書にキャンセル要件まで書かれていないこともあります。

(4)キャンセル料を支払うことでキャンセルできるケース

キャンセルできるケースとしては、これが一番事例が多いと思います。

「販売店が提示するキャンセル料を支払う」または「申込金をキャンセル料として放棄する」ことで契約キャンセルできるケースです。

キャンセル料を支払えばキャンセルできるというのは正直に言って契約ではよく見られることです。

しかし、知りたいのは「キャンセル料を支払わずに済む方法はないのか?」「キャンセル料の相場は?」だと思います。

以下、当サイトの見解と調査結果をまとめましたのでご覧ください。

キャンセル料が発生しない5つのケース

上記ご紹介した、公的にキャンセルが認められるケースとも重なる部分はありますが、以下の5つのケースではキャンセル料は発生せず、無償で契約キャンセルができます。

キャンセル料が発生しないケース

  • クレジット支払いの審査が完了する前にキャンセルしたケース
  • クレジット支払いで審査に落ちたケース
  • 親の承諾なく未成年が契約したケース
  • 不当な情報を元に中古車を購入させれらたケース
  • 「全額現金支払い」かつ「整備・修理などによる販売店の損害がない」ケース

(1)クレジット支払いで審査完了する前のキャンセルのケース

クレジットでの支払いで、審査が完了する前・審査結果が出る前であればキャンセルが可能です。

また、無償でキャンセルができます。

(2)クレジット支払いで審査に落ちたケース

上記と関連しますが、クレジット支払いで審査に落ちた場合でもキャンセル料はかかりません。

頭金などを既に支払っていた場合でも、返金されるので安心しましょう。

(3)親の承諾なく未成年が契約したケース

キャンセルが可能な例でも記載しましたが、購入者が未成年で、親の許可なく契約した場合はキャンセル料はかかりません。

(4)不当な情報を元に中古車を購入させられたケース

こちらも上記のキャンセルできるケースと同様です。

事故車(修復歴車)であることを隠して販売された場合、駆動方式(4WD・FFなど)車のスペックを不当に偽って販売された場合などはキャンセル料はかかりません。

(5)「全額現金支払い」かつ「整備・修理などによる販売店の損害がない」ケース

全額現金前払いかつ販売店側に損害がない場合はキャンセル料は発生しません。

整備・修理・改造などの依頼をしておらず、納品整備なども販売店が行っていない場合は、実質販売店に損害がないからです。

この「損害」がないことというのが重要で、この後お話しする、キャンセル料が正当であるかを判断するポイントにも関わってきます。

では、キャンセル料の相場についてご紹介していきます。

中古車販売店のキャンセル料相場は「車両本体価格の10%」

キャンセル料がかからない場合についてお伝えしましたが、キャンセル料の相場はどれだけなのか、また、正当なキャンセル料であるかを判断する基準をお伝えします。

これは複数の中古車販売店にも確認しておりますが、キャンセル料の相場は「車両本体価格の10%」ほどとされています。

しかしながら、これは法的な根拠がある訳ではありません。ある意味、販売店のさじ加減になります。

「消費者契約法」第9条では、「購入者側からの一方的(合意がない)キャンセルの場合、販売者側の実損分を負担することでキャンセルが可能になる」と定められています。

第9条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

1.当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

引用元:e-GOV

この場合の実損とは、例えば以下のようなものです。

実損・損害の例

  • 名義変更手続きの費用(販売店がさらに業者に発注していることもある)
  • 納品のための車両整備・加修の費用

販売店の実損以上のキャンセル料は不当

たとえ車両が変わっても、名義変更などの手続き費用や、整備費用は大きく変わることはありません。

50万円の中古車のキャンセル料が5万円と、極端ですが400万円の中古車のキャンセル料が40万円というのは不可思議な話であることはご理解いただけると思います。

下記のように「明らかに販売店の実損分を超過する」キャンセル料は負担する必要がありません

また、販売店によっては「この契約とキャンセルがなければ他のお客さんに売るチャンスがあったのに」などと、損害を主張されることがあるかもしれません。

しかし、上記の消費者契約法では契約キャンセルによる販売者側の販売機会損失は購入者が負担しなくて良いことになっています。

不当なキャンセルやキャンセルに応じられない場合の対策

販売店とキャンセルの件でトラブルになった場合は「消費者生活センター」に相談しようと言われます。

しかし何の準備もなく、消費者生活センターに相談・訴えてもキャンセルを押し通すのは難しいでしょう。

中古車販売店のオーナーとしても「消費者生活センターに訴えるぞ」と盾にしてくるユーザーは少なくなく、それだけで揺さぶりをかけるとか、キャンセルに応じない姿勢を覆すのは困難です。

消費者生活センターに相談する前に、事実・証拠を整理することで、適切な対応・返答を受けることができますし、交渉を有利に進められます。

相談する前に事実・証拠を整理しよう!

  • キャンセル料が不当にかかっていると思われる事実
  • キャンセルできる事例に当てはまっている事実
  • キャンセル料がかからない事例に当てはまっている事実

「漠然とキャンセルしたいのに応じてくれない…」と投げ掛けても、それ相応の返答しか得られないので注意が必要です。

まとめ

今回の記事では中古車契約をキャンセルしたい方に向けて、中古車契約の基礎知識と、キャンセルできるケースの事例・不当にキャンセル料を取られないための対策をお伝えしました。

最初にお伝えした通り、キャンセル料が発生するかどうか・キャンセルが可能なタイミングかは1日ずれると変わることがあります。

現在、キャンセルできるかどうか?と悩んでいて販売店に連絡していない方は、今回お伝えした内容を踏まえた上で、販売店に急ぎ連絡をしましょう。

上記のどれにも達していない場合、契約成立していることにはなりませんのでキャンセルが可能なわけです。

  • 公開日: 2022-10-04

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