こんな方にオススメ!

自分の車を査定に出す時、気になるところが車についた傷や凹みを直した方が良いか否か、ではないでしょうか?確かに車はキレイな状態の方がいいでしょう。しかし、普段走っていれば傷や凹みは付いてしまうものです。例えば、対向車を通してあげようと少し端に寄せたら道ばたの草木に車を擦ってしまい傷がついてしまった…凹みも同様に、ドアを開けたときにガードレールにぶつけて凹んでしまったなど、事故でなくても日常のアクシデントでも傷や凹みが付いてしまいます。この記事では、その傷や凹みは実際どの程度、査定に影響するのか、またその傷は直したほうがいいのか?など、車査定において傷や凹みで気になる疑問を解消するための知識について分かりやすくお伝えします。

目次

1.はじめに:傷・凹みは車査定に影響するか

2. 車査定における「傷」の減点方法

3. 修理前にとりあえず査定を受けてみる

4. 車査定で傷や凹みで損をしない為のまとめ

 

1.はじめに:傷・凹みは車査定に影響するか

高額査定を狙うなら車の状態はキレイな方がいいに越したことはありません。しかし、日常生活において傷や凹みが付いてしまうシチュエーションはことのほか多いのです。

もし傷が付いてしまった場合、査定額への影響はどうなるのでしょうか。

1-1. 傷のある車は査定額が低くなるか

査定額が低くなるかならないかと言えば「低くなる」という答えが適切でしょう。もし皆さんがクルマを購入するとき、傷はあるよりない方がいいと思いますよね。傷があった場合、業者は買い取ったあとに板金修理を施します。そのため傷があった場合は、その分のコストを加味した上で評価付けするのです。

特に大きく減額される傷として、例えば大きく錆びてしまった場合あるいは、一見板金されているけれど、汚い塗装で「傷の方がまだまし」という状態の板金が失敗してしまっている場合は大きく減点の対象になってしまいます。

査定には、板金業者の腕の善し悪しが影響するので、傷ついたからといって板金する必要はないことに注意しましょう。

1-2. 査定士から見た「査定額に影響しない傷」とは

一般的によく言われる「傷による減額」とは、実は販売前に板金をするコスト分を計算した額のことを言います。なぜなら、車についた傷が「車の価値」を下げること以上に、中古車として再販する際の商品化コストに板金、磨きなどのコストがプラスされるからです。その中で査定に影響しない傷は以下のものです。

  • 日頃の運転で付いてしまう小さな凹み
  • 擦り傷
  • 飛び石によるエクボ傷

 

これらは査定時に織り込み済みになっていることが多いので、これらはあまり気にしなくてよいでしょう。

2. 車査定における「傷」の減点方法

傷による減点方法は、どのように算出されていると思いますか?実は、大まかに「どのくらいの大きさ」の傷が「何ヶ所」あるかということでカウントしているのです。

その具体的なサイズ、数については、買取業者ごとに査定の基準を設けていて、業者によって基準を公開しているところもあります。

ここでは、傷が査定に及ぼす影響について具体的にご紹介します。

2-1. 減点対象となる傷の種類(凹み、傷、塗装はがれ)

まず減点対象となる主な傷の種類は以下の3つです。

  • ルーフ上に無数にできた小さいエクボ傷
  • 錆(さび)になるような傷
  • 複数のパネルにまで及んでいる板金を要するレベルの大きな傷

 

無数にできたエクボ傷とは、季節の変わり目などによく降る雹(ひょう)によってできた、無数の小さな凹み傷のことで「雹害(ひょうがい)」と呼ばれます。ルーフのみの被害ならば、そのままでも売れはしますが、雹害車のレッテルを貼られて流通することになります。ルーフのみならずボンネットなど広範囲に及んだ場合は、修理するとかなりお金もかかるのでさらに厳しく減点されてしまいます。

また、塗装剥がれや剥がれた部分が錆びている場合も大きく減点されます。ボディの塗装は、実は「ユーザーの好みの色に塗る」ために施されているわけではありません。ボディを保護するために塗装されているのです。それがはげてしまっていたらどうでしょうか? まず車の機械を覆うボディが錆び、傷がつきます。そういう部分から穴が空き、それが広がっていくとやがて雨漏りし、車のコンディションがどんどん悪くなっていきます。そのような状態を防ぐ機能を外装色ペイントは持っているのです。それがはげているのですから、大きく減点されてしまうのは仕方ないことでしょう。

そして、傷での最も大きな減点は「事故現状車」です。接触事故を起こしても直さず、凹みや傷、はずれ、損傷が接触した時のままの車のことを指します。事故現状車として流通される個体もあるので、このようなケースの場合は、事故車のカテゴリーでの買取相場で査定額が算出されることになります。その場合の査定額は、とうぜん無傷の車に比べて、相当安い金額を提示されることがほとんどですから、そういった意味で「評価は下がる」に当てはまるでしょう。こうした事故現状車はパーツとして、またドレスアップのベース車として流用されることが多いです。

こうした事故現状車は無理にお金をかけて治さずともしっかり利用価値があります。以上が、査定に大きく影響しがちな外装の瑕疵です。

2-2. 付け焼き刃の修理は却って逆効果!

傷が車査定に影響するのであれば、「もしココを修理したら査定金額算出時の減点を回避できるのではないか」「査定金額がマイナスにならなければ結果的に得するのではないか」「だとしたら、どんな修理でも、自分でできればマイナスにならないばかりか、プラスになるかもしれない」など、とりあえず修理をしようと考える方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、仮にあなたが普段、車の板金やボディリペアの仕事をしていたとしても、愛車を査定する前に修理をすることはおすすめできません。まして、付け焼き刃の素人仕事で査定が好転するようなことは何一つないので、むやみやたらに修理しない方がよいのです。

その理由はいくつかあります。まず始めに、事前に修理したかどうかを査定士は見抜きます。微妙な塗装の違い、光沢の差、経年によりあせた外装と異なる色合いなどは、コツがあって見抜くことができるのです。きれいに修理されていれば、板金した形跡があったとしてもそれで減点になるようなことはありません。だとしてもプロが行った仕事でも見抜かれる以上、当然のごとく素人仕事などお呼びではないのです。傷がもしそのままであれば、買い取った買取業者や、これからその車を販売する中古車販売店が手配して板金すればよいのです。もし素人の仕事で下手な板金がしてあった場合、そのままでは販売できませんから、一度塗装を剥がした上で再度板金し、その上でもう一度塗り直さなければなりません。業者からすれば、付け焼き刃の修理ならかえってない方がよいと思うのです。

結局のところ、査定額アップを狙って時間とお金をかけて修理をしても、その分を差し引いて査定されるのでおすすめしません。

傷の有無と査定金額の違いの関係は「その程度だ」ということもできるでしょうし、ここでも「そういうことに時間を割くなら、いち早く査定し、一刻も早くその状態での、できるだけの条件で売却する」ほうが数段お得になるとも言えるでしょう。

2-3. 経験があるなら自分で修理もあり?

これに関しては2つの事柄を除いては「なし!」であるとお答えしたいと思います。理由は前述した通り、かけた分のコストを回収できないからです。そして金額としては見えにくいですが、かけた時間もあります。この分の回収に関してはほぼ無理です。趣味の範囲だと言われても「やめておきなさい」と言いたいのが、この査定に際しての車両の補修です。

ただ、2つだけ「この方法ならばトータルで得するために実践してもいいかも」ということがあるので、それをご紹介いたします。
まず1つ目が、査定を検討し始めたタイミングで、自分以外の方のお金で板金ができることになった場合です。もらい事故などで、事故を起こした側から100%出資してもらって板金ができるという時に、あまり時間がかからないのであれば、板金をしてもよいでしょう。ただし、このケースはあくまでも人のお金でできる場合です。他人のせいで愛車の評価が下がってしまう可能性があり、その評価の落ち込みを最小限にとどめる為の行為としては「やっても良い」という程度です。手続きに時間がかかる場合もあるので、その状況次第では、板金をせずに急いで売却したほうが金銭的メリットは大きいかもしれません。

そして、オーナー本人がやってもよいと思う唯一のこととして「愛車磨き」があります。けっこう多いのが、傷というには浅すぎる薄い線傷です。これは、車の塗装の際に光沢を持たせたり、ペイントを保護するために、色の上に施された「クリア層」についた傷である場合がほとんどです。このクリア層のでこぼこは、磨いてあげると再び平らになり、薄い線傷が消えるばかりか、全体の輝きが増す場合もあります。まず洗車をして、そのあとでコンパウンドと呼ばれる研磨剤で少しずつ丁寧に磨いていき、その上にワックスをかける。磨くだけでは塗装のクリア層を削っているだけですので、この上に保護してあげるという意味でも、ワックスはかけてあげた方がいいでしょう。ただ、一部の塗装では上記のような結果にならないような車も最近はありますので、ご自身の車の色とお手入れ方法については、念のため事前に確認することをおすすめします。

もっとも、こういうことは査定の直前のみ行うことではありませんので、基本的に「査定のために傷を消す」という発想は捨て、日頃からのケアをきちんと行うことがプラス査定への近道と言えるでしょう。

3. 修理前にとりあえず査定を受けてみる

もらい事故に関しては、場合によっては板金をしてもよい、という説明をしましたが、それとは違うアプローチとして「もし事故で車を傷めてしまった」場合に、予定はなくとも査定に出してみるというのも一つの手です。

査定すると、この傷がなければ、この事故の損傷がなければいくらくらい、というような話を聞ける可能性が高いからです。

修理を依頼する前に査定を受けることについてお話しいたします。

3-1. 傷のつき方は一定ではない

傷の尽き方というのは一定ではありませんし、気になる傷というのは、複数のボディパネルにまたがって傷が付いてしまった場合や、もう少し浅ければ磨くだけで済んだのに、など「残念な傷の付き方」ばかりだと思います。

そして傷の「付き方」と合わせて「修理の仕方」も様々だと思います。「この傷の感じだと、ここからここまでを治して、最後に色を合わせていかないと」といったように、外板パネル一枚だけ修理して済むということは実は案外まれなのです。ですから、板金してもらおうと車を持ち込むと、修理代が予想外に高かったということがあります。そういう時のために、修理前に査定をしておくことで、「もう少しで手放すからそこまでお金をかけたくない」、前述のように「もらい事故で相手がすべて負担してくれるなら、板金してもらおう」など、修理代と比較する判断材料にもなるのでおすすめです。

3-2. 修理金額と査定額の増加は釣り合うか?

そもそも「査定の為に修理する」のをおすすめしない最大の理由は、「かけた修理代分査定額がアップすることはまずない」ということがあるからです。安価で修理してくれる板金屋さんの知り合いがいれば、もしかするとギリギリかとんとんになる可能性もありますが、基本的に時間とお金をかけて板金したとしても、修理代金の回収を査定金額の上昇分でまかなうことはほぼ難しいと考えたほうがよいでしょう。

4. 車査定で傷や凹みで損をしない為のまとめ

査定をする際に傷が気になるのは、もしかすると買取業者の査定スタッフ以上に、自分の愛車を査定してもらうオーナーの方かもしれません。査定時に傷の大きさ、場所、数などのチェックはされますが、それがあるから買取りができないわけではありません。

そして、傷や凹みはもちろん少なく、小さい方がいいのですが、それを治したからといって、修理するのにかかった時間とお金に見合った査定額のアップが期待できるのはごく限られた場合なのです。ですから、大原則として、修理して少しでも高い査定額を目指すよりも、手間はかけず、今の姿のまま最高値で手放せればよいと考えるのが妥当でしょう。

手放す時は、愛車についた傷は「欠点」とかんがえるよりも、「今まで一緒に刻んだ愛車との思い出」くらいにとらえた方が良いのではないでしょうか。

 

ライタープロフィール

中込健太郎(なかごみけんたろう)

大手自動車買取販売会社にて、クルマの売買業務を経た後、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事。その他に、企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなども担当。その後フリーランスライターに転向し現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。NAVI CARS他で執筆中。また「クラシックカー美女」テキストも担当している。温泉ソムリエ、二級小型船舶操縦免許所持。