カンタンにまとめると!

  • カラーによって需要の差がある為、価格の差はある。
  • 稀少カラーを探している人が居るのも事実なので、積極的に交渉を。
  • カラーによって差がつくことは決して損な事だけではない。

車の下取りは買取りと違い、商談上で値引きの一部として条件が出されます。最近では買取相場も簡単に知ることができるので、下取り価格にも影響するというお話をことあるごとにしてまいりましたが、それでは下取りしてもらう際に車のボディカラーの影響はあるのでしょうか? ここでは、車のカラーと下取りの関係についてお話ししていきたいと思います。

査定額には影響するものの、「そこから先の交渉」が下取りの醍醐味

流通相場に即して金額が決まる買取りであれば、基本的にカラーによる価格の違いは出てしまいます。なぜなら需要が異なるからです。さらに流通量(供給量)もカラーによって違います。よく見かける白・黒・シルバーの車は流通量も多いですが、個人での利用だけでなくビジネスユースでの需要も多くあります。ビジネスユースの場合は、複数台を一度に発注し所有するということがほとんどです。それだけ需要が多いということは、販売店も台数を揃えようと努力するでしょう。その努力は、流通相場として顕在化します。

これ以外の赤、青などはっきりしたカラーは目立つため好みも分かれますし、選ぶ人も限定されます。また、同じ値段で販売しても在庫期間が長引く可能性があります。これは販売する上での「リスク」に他なりません。そうすると利益幅としては売れ筋のカラーよりも余分に確保できないと、ビジネス上合理的ではなくなります。こうした背景から、好みの分かれる個性的なカラーほど相場が低くなるというのは、客観的根拠に基づいた評価で理にかなっていると言えるでしょう。

とはいえ、「このカラーでなかったらもう少し高くなったのですが」と次の車の商談の中で、営業担当者から言われたところで、別の車を下取りに出せるわけではありません。そしてここでも忘れてはいけないのが「下取りはあくまで商談上の値引き」の一部であるということ。客観的な事情がどうであれ、どこまでの条件が引き出せるか、そこが問題ではないでしょうか。次に欲しい車が人気車種で強気の販売戦略のものであれば、客観的根拠に基づいたかなり厳格な条件提示になるかもしれませんが、どうしても売りたいとなれば、カラーによる価格差は営業努力で埋められるはずです。カラーによる差をつけられたとしても、それを鵜呑みにせず積極的に交渉していきましょう。

次に、珍しいカラーの車だからといって実はそんなに弱気になる必要はない、という事例をご紹介したいと思います。

いざ探すとモノが無く案外高い稀少カラー

リスクが高く、それに伴って流通相場が控えめにならざるを得ないというのは、自動車販売業界側の事情です。しかしそれでも、筆者が車販売の現場にいた時の経験として、そういう稀少カラーを探している人がいるのもまた事実であり、そういう人からの注文で車を探すと思いのほか選択肢が限られ、さらに言うと、いざ仕入れようとするとき、相場とは裏腹に仕入れ価格がせり上がるケースも少なくないということです。業者間オークションは競りで取引されるので、競争が激しくなればせり上がるというのは当然のことです。

しかし、せり上がらない場合、リスクを織り込むのも当然なので、自動車の流通における相場として厳しい評価になる傾向があるのも事実です。買取り金額などでは売れ筋のカラーより安くなるのはめずらしいことではありませんが、一つ覚えておいていただきたいのが、人を選ぶカラーというのは稀少カラーでもあるということです。下取り金額の上限がカラーにより低くなってしまうという説明が、営業の方からあるかもしれませんが、それはあくまでクルマ屋さんの事情です。そこまで覚悟して商談する必要はありません。

カラーが理由で差をつけられることは果たして損なことか?

「このカラーでなかったらもう少し出せるのですが」と、カラーを理由に下取り金額が下がった、あるいは条件的に厳しいものにとどまった場合、果たしてこれは損なことなのでしょうか? 

私としては決してそんなことはないと思います。なぜならば、そのカラーを購入している場合、所有している間は好きな(こだわって選んだ)カラーの車に乗れている。これは金額換算できない満足感を常に享受していたことを意味していると言えると思います。白・黒・シルバーといった売れ筋のカラーについてはこの前提から外れますが、それ以外のカラーが好きな方にとっては贅沢なことですし、個性を尊ぶとはこういうことだと思うからです。

また、売却時に安かったとしても、次の車の購入時にそれ相応の値引きをしてもらっている方もいるかと思います。トータルで考えると下取り金額は同じ、またはあまり差が出ない場合もあるので、必ずしも「カラー次第で損をする」とは言い切れないと言えます。

まとめ

・車のカラーによる下取り金額の差は「ないとは言い切れない」
・相場ではカラーによる差はあるものの、それを鵜呑みにせず交渉しよう
・カラーが理由で下取り金額が下がったとしても、好きなカラーの車に乗れている満足感もある


ライタープロフィール

中込健太郎(なかごみけんたろう)

大手自動車買取販売会社にて、クルマの売買業務を経た後、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し、その後大型展示場のオープン準備から、展示在庫の目視選定業務に従事。その他に、企業Facebookページでの在庫車に関する紹介や、クルマで出かける旅行コンテンツなども担当。その後フリーランスライターに転向し現在に至る。クルマの売り買いの経験から、ドライブを通じてクルマの魅力楽しさを紹介することをライフワークとしている。NAVI CARS他で執筆中。また「クラシックカー美女」テキストも担当している。温泉ソムリエ、二級小型船舶操縦免許所持。